Castle Totenkopf SDL Edition
スクリーンショット
総論
Castle Totenkopf SDL Editionは2010年に公開された「Wolfenstein 3D」及び「Spear of Destiny」のファンMOD作品です。また、製作者様の過去作品である「Castle Totenkopf」のセルフリメイク作です。現代の技術で全力でクラシックスタイルFPSを作りにいった本作は、ダーク路線の作風にオリジナルの武器や強敵が大量に追加されており、そのハイクオリティーなグラフィックとサウンドも相まって非常に完成度の高い作品に仕上がっています。
元々の原作であるWolfenstein 3Dとその続編であるSpear of Destinyの方は、1992年にDOS向けに「id Software」から発売されており、「DOOM」と並びFPSというジャンルを確立させた超が付くほどの有名作です。
「Wolfenstein 3D」には数多くのMOD(非公式カスタム)作品が存在しており、新たなレベルを追加する程度の簡素なものから世界観が全く違う大型のものまで、それこそ大小様々な作品がネット上には公開されています。本作品はそれらの中においても飛び抜けて完成度が高く、原作の雰囲気を壊さずに大幅なカスタマイズを加えた大型MODだという事になります。
本作品の1番の魅力は何と言っても原作で不満に感じていた点や物足りなく感じていた点が大幅に改善されている所にあります。原作でどうしても拭う事の出来なかった「単調さ」や「マンネリ感」といったものが、本作では「各種銃火器類の充実」に、「新たな敵キャラの登場」、「変化と手応えのあるマップ構成」によって殆ど払拭されています。その上、原作の不満の1つでもあった「シークレット地獄(常軌を逸した連鎖シークレットやボス戦での必須シークレット等)」に悩まされる事もありません。
グラフィックはテクスチャーが大量に変更されていて、ドット絵が良く出来ています。またサウンド面に関しても抜かりはなく、リアリティーのある環境音に加えて、軍楽曲を彷彿とさせる重量感のあるBGMが作品を引き立てます。
全18+3(シークレット)レベルで構成されており、拡張作品なだけあって難易度は全体的に高めです。クイックセーブ&ロードを駆使しながらじっくりと進めていくと良いでしょう。
ダーク路線で残酷表現が強いので誰にでも勧められる訳ではありませんが、原作ファンの方やクラシックスタイルFPSに興味がある方にお勧めの作品です。
各論
昔のFPSやらMOD作品やらを漁っていたら、素晴らしく完成度の高い本作品に出会う事が出来ました。公式発表作と言われても何ら遜色はない程の出来栄えで、個人的にはMODどころかクラシックスタイル(マウス無し、高低差無しの最初期)FPSとしてみても最高傑作に値する作品だと思います。
原作Wolfenstein 3Dは、FPSの根幹をなす「射撃感」こそ良かったものの、武器・敵・マップのパターンが非常に少なく、作品が全体的に「単調」であった事は否めませんでした(それが当時の技術の限界であったとされています)しかし本作では「二丁拳銃(ワルサー)」、「設置式マシンガン(MG42)」に始まり「スナイパーライフル(Kar98k)」、「火炎放射器」、「ロケットランチャー(パンツァーシュレック)」といった、WW2時代のドイツ製銃火器が目白押しで、 その他にも「強化ミュータント」や「重火器持ちの敵」に「強ボス」が出現したり、「Armor(シールド)」の概念、「ブロンズ・エレベータールームキー」や「ガス部屋マップ」の登場など、あらゆる面におけるボリュームアップが図られています。
更に特筆すべきは「スナイパーライフル」の存在で、これまでになかった遠距離からの精密射撃が可能となっています。以前は決定的な遠距離攻撃方法が確立されておらず、弾の無駄撃ちを防ぐ為にも「ダメージ覚悟で間合いを詰めていく」か、「待ち伏せる」かしかありませんでした。しかし本作の場合はストレイフを使用して積極的に攻撃を仕掛けていく事が出来るようになっています。
それからテクスチャー面に関しては、原作以上にナチス色が強く感じられるようになっています。原作にもあった「ハーケンクロイツ」や「ヒトラー肖像」に加えて、本作ではナチス親衛隊の「SSシンボル」や「トーテンコップ」に「ナチス宣伝ポスター(参考画像1、2、3)」が至る所に貼り付けられています。
製作者様は本作品の前身である「Castle Totenkopf」の他にも「Project Eisenritter」や「Coming Of The Storm」など非常に良質なMODを公開されています。現行のPCでプレイする場合には「DOSBox」を使う必要があるので導入は少々複雑ですが、興味を持った方は触れてみてもいいかもしれません。
本作品はMODでありながらも「SDLバージョン」となっているので、原作を所持していなくても単体でプレイする事が可能となっています。現代FPSに慣らされたプレイヤーからしてみれば、初めはマウスが使えない事にヤキモキするかもしれませんが、一旦慣れてしまえばどうという事はありません。マウス無しのFPSならではの味わいというものをぜひご堪能下さい。
関連リンク
-
The Wolfenstein 3D Dome (Wolfenstein 3D総合情報サイト)
PLAY WOLF3D ON VISTA & WINDOWS 7 (SDL作品まとめページ) - Mr. Lowe's Wolfenstein 3D Page (上記と同じ管理人による別サイト、MOD作品まとめ)
- The Wolfenstein 3d Blog (MOD作品レビューサイト)
動作環境
n/a
製作者情報
Wolf Skevos-Jones(W.S.J.) / Id Software(原作) / Chaos Software(Wolf4SDL)
補足、攻略情報など
主要な操作
- Escキー - スキップ/キャンセル/メニュー画面
- Yキー - Yesの意(何か問われた際に)
- Nキー - Noの意(何か問われた際に)
- F8キー - クイックセーブ
- F9キー - クイックロード
- カーソル(矢印)キー - 移動
- Altキー+移動(←/→)キー - ストレイフ移動(サイドステップ)
- Shiftキー+移動キー - 走る
- Spaceキー - 扉を開く/アクション
- Ctrlキー - ショット
- 1〜8(数字)キー - 武器の切り替え(同じ数字キー2、3度押しで、同系統の武器の切り替え/デュアル武器/スコープ機能)
TIPS
- このゲームでは「扉前(通路脇)での待ち伏せ」と「ストレイフを使用したヒット・アンド・アウェイ」が基本戦術になります。油断すると一瞬で蜂の巣にされてしまうので「クイックセーブ&ロード」を惜しみなく活用していきましょう。
- Health(体力)やAmmo(弾薬)は次のレベルにも持ち越されるので、瀕死状態や弾薬不足で進んでしまうと詰まってしまう可能性があります。更にはクイックセーブとロードのキーの位置が近いので間違えて死ぬ直前にセーブしてしまう危険性もあります。セーブは複数(レベル毎)に分けてしっかりと管理しておきましょう。
- クイックセーブ&ロードは「セーブデータをいったん指定してやる」必要があります。上書きするかどうか尋ねられたら「Yキー(Yes)」か「Nキー(No)」を押しましょう。
- 序盤の敵であれば扉横に待ち構えてナイフ連打しておけば1人ずつノーダメージで対処する事も可能です。弾を節約したい場合などに有効なテクニックです。
- 自他共に弾丸は柱を貫通します。柱の裏から撃ってくる敵には要注意です。
- まだこちらに気付いていない未反応のミュータントは(スコープで覗いた)スナイパーライフル一撃で倒す事ができます。
- シークレットステージの難易度は非常に高いですが、そこでしか手に入らない超強力な武器があります(3つのステージ全てを通過してパーツを集める必要あり)。腕に自信のある方は挑戦してみると良いでしょう。
攻略参考動画(ネタバレ注意)
その他お勧めMOD作品(原作の雰囲気継承&単体で起動可能)
- Odds & Ends (Thomas Weiling氏作)
- NovoWolf (Thomas Weiling氏作)
- Project Totengraeber SDL Version (BJ Rowan氏作)
- Wolfenstein Sextilogy 3 SDL (Executor氏作)
- Spear Resurrection SDL及びSpear Resurrection: 10th Anniversary Edition SDL (AReyeP & MCS氏作)
- The Golden Episodes SDL (Ariel氏作)
※このページはJavaScriptを使用しているので、設定を切っていると正しく表示されない可能性があります。