Fairygame

Wolfram

スクリーンショット

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総論

 Wolframは2012年に公開されたFPSで、「Wolfenstein 3D」のファンリメイク作です。最古のFPSを現代に蘇らせた本作は、敵キャラやマップなどの基本構成はそのままにグラフィックやアクションなどがリアル系FPS路線に大きく変更されているので、これまでとは違った新鮮な気持ちでプレイする事が出来るようになっています。

 原作であるWolfenstein 3Dは元々1992年にDOS向けにid Softwareから発売されており、「DOOM」と並びFPSというジャンルを確立させた超が付くほどの有名作です。そして本作はそのファンが作った非公式のリメイク作品ということになります。

 原作との大きな違いは、やはり近年のリアル系FPSを意識したグラフィックの大幅強化が挙げられます。これまでもWolfenstein 3Dでは「NewWolf」や「Wolf4SDL」などの移植エンジンを筆頭に「ReWolfenstein 3D」や「LEGO Wolf3D」、「Voxelstein 3D」などファンによる様々な試みが成されてきました。しかし本作はそれらの中でも取り分けて美しいグラフィックを用いた原作ベース作品となっており、独自エンジンで1から組み立て直したマップやテクスチャは陰影が効き、非常に奥行きの感じられるデザインに仕上がっています。

 現在はエピソード1「Escape from Wolfenstein」の9レベル+1シークレットをプレイする事が可能となっています。ゲームバランスにやや難がありますがクイックセーブ&ロードが使用できるので、細かいセーブを繰り返しながら進めていくと良いでしょう。

 Wolfenstein 3Dのファンの方やFPSが好きな方にお勧めの作品です。

各論

 スクリーンショットに惹かれてプレイしてみたのですが、「RtCW」を彷彿とさせるダークでシリアスな雰囲気と銃器周りの挙動がなかなか良かったです。また、この機会に中途半端に投げてしまっていた原作の方も再びプレイする事にしました。

 銃器の方はどうも「DoD」から拝借してきたようで「ルガー」に「MP40」に「MG42」とドイツ製のものが並びます。マガジンリロードはもちろん、フラッシュライトにアイアンサイトまでが付いているので挙動に関しては大変良かったです。

 しかし肝心のプレイ内容については「Wolfenstein 3Dの素材を使った全くの別ゲー」といった感じで、リアル路線を目指した事までは良かったのですが、敵の「不自然な固さ」や「不完全なAI」といった粗が目立ち、原作にあった敵を蹴散らす爽快感やテンポの良さがすっかりと削げ落ちてしまっているのが非常に残念でした。
 ヘッドショット重視のバランスからか、敵が超反応で攻撃してくる上に、ボディーが異様に固く、こちらの攻撃では怯まないので、ノーダメージで戦闘を切り抜ける事が非常に困難になっています。またマップが広くなり、遠くの小さな的(敵)を狙って撃つ必要性が生じている事や、リロード時間という隙が発生するようになった事も更なる難易度の上昇に拍車をかけています。
 ここまでするならば「覗き見やプローンポジション、スニーク要素などを加えても良いんじゃないか」と思いました。

 まだまだ調整は必要かもしれませんが、ここまで作り上げた製作者様には敬意を表します。エピソード2以降もぜひプレイしてみたいと思わせられる作品でした。

ダウンロード

Mod DB - Wolfram (US Version) DOWNLOAD NOW! (本体)
Mod DB - Wolfram Patch 1.1 (English Version) DOWNLOAD NOW! (パッチ)
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関連リンク

動作環境

Minimal system requirements

製作者情報

Chain Studios / id Software(原作)

補足、攻略情報など

原作であるWolfenstein 3Dの方は現在ブラウザ版iOSアプリ版が公式より無料公開されています。

原作同様にマップが入り組んでいる上にシークレットありきのゲームバランスになっているので、攻略サイトで前もって移動ルートやシークレットポイントを確認してからのプレイを推奨します。

遊び心からか、本作ではQuake系FPSでお馴染みのストレイフジャンプが使えます。未プレイの方に簡単に説明しますと、視点を動かしながらジグザグにジャンプをする事で加速していく移動テクニックの事です。複雑なので詳しい手法についてはここでは割愛させて頂きます。

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