You Have to Win the Game
スクリーンショット
総論
You Have to Win the Game(通称YHtWtG)は2012年に公開されたオーソドックスなレトロアクションゲームです。80年代PCゲームを意識したとされる本作は、非常にシンプルなジャンプアクションでありながらも、細部までこだわりを感じられるデザイン・演出で、プレイする者に驚きや感銘を与えてくれる作品となっています。
本作の特徴は何と言っても凝ったレトロデザインにあり、3(4)色構成の美しいドット絵に加えて、昔ながらのCRT(ブラウン管)ディスプレイをゲーム内で表現している所が大きなポイントです。とりわけCRTディスプレイについては「シャドーマスク」や「四隅の湾曲」、「光の映り込み」と凄いこだわりようで、まるで当時のPCで本当にプレイしているかのような錯覚に陥ってしまう程に再現度が高いです。
作品の内容自体はオーソドックスなジャンプアクションなのですが、Good Endに辿り着く為にはちょっとした謎解き要素があったり、全アイテム回収で100%を目指すなどやり込み要素もあります。難易度の高いポイントもあるかもしれませんが、セーブポイントが沢山あり、残機制限もないので気軽に何度でも挑戦する事が可能となっています。
レトロゲームが好きな方、2Dアクションゲームが好きな方にお勧めの作品です。
各論
いやー完全にやられましたね。ブラウン管をゲーム内で再現してしまうという素晴らしいセンスには脱帽しました。私自身これまで数多くのレトロ系作品をプレイしてきましたが、ここまでやってしまう作品には初めて出会いました。「液晶が主流になってしまった現代だからこそ、逆に価値が出てくる」非常に面白い発想だと思います。昔、自宅でPC用に使っていたでっかくて重たい箱みたいなモニターを思い出し、ノスタルジックな想いに浸りながらプレイさせて頂きました。
時代は移りゆくもので、液晶(LCD)が主流となってしまった近年のディスプレイ市場においてはCRTを見かける事はすっかり無くなってしまいました。今現在CRTをゲームに活用しているのは、業務用を使用しているゲームセンターやゲーム開発者だったり、反応速度や品質に極限までこだわる一部のプロ・コアゲーマー、そして昔から物を大切に使い続けてきた古参ユーザーぐらいのものでしょう。それでもCRTの生産・販売自体が終了の一途をたどる現状においてはやむを得ず切り替える場合も数多く、CRTの希少価値は高まる一方です。
本作はゲームオプションで「CRTエフェクト」のON/OFFが切り替えられるので比較してみるのも面白いかと思います。私個人的にはこのCRTエフェクトはぜひ「エミュレータ」や他のレトロ系作品にも積極的に取り入れてもらいたいシステムに感じられました。更に突っ込めば「シャドーマスク」と「アパーチャーグリル」の切り替え等があっても面白いかもしれません。
レトロ好きな方にはかなりお勧めできる作品ですが、今現在CRTディスプレイを使用されている方の場合にはその面白みが半減するかもしれません。
関連リンク
- Pirate Hearts (製作者様サイト)
- Pirate Hearts - Three things (製作者様公開の全体マップ)
- deviantART - You Have to Win the Game Map by 〜Aurebesh (ファン公開の全体マップ)
動作環境
OS: Windows
製作者情報
J. Kyle Pittman
補足、攻略情報など
・見落としがちなコイン ※ネタバレ要注意
スタート地点「You Have to Start the Game」頭上の枝の上にコインがある。葉に似ていて紛らわしいので見逃しに注意。 |
・マジックシンボルとマジックワード ※ネタバレ要注意
マジックシンボルは「~ `(チルダ/グレイヴ・アクセントキー)」、マジックワードは「ARC」
※ただしマジックシンボルに関しては「USキーボード」と「日本語キーボード」の違いに注意が必要。USキーボードの場合はキーボードの左上が「~ `(チルダ/グレイヴ・アクセントキー)」なのに対し、日本語キーボードでその場所は「半角/全角キー」になっている。よって日本語キーボードを使用している場合には「半角/全角キー」→「ARC」と入力しなければならない。 |
・100%クリア参考動画
・カラー追加MODの導入方法
製作者様の記事から「YHtWtG_EGA.zip」ファイルをダウンロードした後、解凍し、その中身を全て「マイドキュメント/You Have to Win the Game/Mods」フォルダ内に移動させればOK。
非常に美しいので一見の価値ありです。
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