Fairygame

1999ChristmasEve

スクリーンショット

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総論

 1999ChristmasEveは2000年に公開されたホラー+恋愛ノベルゲームです。フリーゲーム界において圧倒的な知名度を誇る本作は、「かまいたちの夜」や「弟切草」などのいわゆるホラーサウンドノベルをリスペクトして作られており、しっかりとした世界観やホラー演出の巧さ、多彩なシナリオ分岐などはそれら名作サウンドノベルに肉薄するほど非常に本格的な仕上がりになっています。

 12月24日クリスマスイヴの日、主人公は前々から好意を寄せていた女友達のヒロインを誘い、2人きりで長野のペンションホテルに向かうのですが、その途中で何故か車が止まってしまいます。近くの教会に助けを求めるのですが……そこは人ならざる者達が蠢く忌まわしの土地でした。

 基本的には文章を読むだけで進行していきますが、選択肢やワード入力を求められたり、フィールド探索や戦闘シーンなども出てきます。プレイヤーの取った行動やヒロインの好感度によって様々なシナリオに分岐していきます。

 BGMは重苦しい雰囲気が作品にマッチしていて非常に良いです。効果音を使った演出も巧く、本当に背筋がゾクッとしたりもします。

 全8話、37種のエンディング(生存19+死亡18)が用意されていて、かなりのボリュームがあります。ひとえに生存エンド=ハッピーエンドという訳でもなく、実に様々な結末がプレイヤーを待ち受けています。

 ホラーゲームが好きな方はもちろん、面白いノベルゲームをお探しの方にお勧めの作品です。

各論

 大分昔にプレイして中途半端に投げてしまっていたので、今回は全エンディングの回収を目指しました。完成度が非常に高く、全てのエンディグがしっかりと作り込まれている上に、最終話には全ての決着がつくのでプレイ後の後味も良かったです。

 本作は「得体の知れない者がただ怖がらせてお終い」というような、単なるお化け屋敷的な作品に留まらず、教会や化け物1つ1つについての明確な存在理由がしっかりと定義付けされています。序盤は右も左もわからない状況なのでただ怖いだけなのですが、話が進むに連れて事の発端からこうなってしまった理由と経緯まで、全ての真相が浮かび上がってきます。

 ただ、気になる点として主人公の思想(信仰や恋愛観)を長く語り出すような場面は賛否両論あるかもしれません。合う人は良いのかもしれませんが、合わない人は完全に置いてきぼりを食う可能性が高いです。私の場合は主人公の考えには大方賛同できましたが、それでも少々クドさを感じざるを得ませんでした。

 宗教やオカルトネタについて都合良く詳しかったり、時代を感じさせられるようなネタもありますが、そこら辺はご愛嬌でしょう。

 10年以上の歳月が流れているにも関わらず未だに人気のある作品です。公式サイトは既に閉鎖されていますが、まだゲームを入手する事は可能なので未プレイの方にはぜひともお勧めしたい作品です。

関連リンク

動作環境

製作者情報

YKFC(横浜かまいたちファンクラブ) / PIA少尉(製作総指揮)

補足、攻略情報など

前話での行動によって詰まる場面が多々あります。大きく戻る必要がある為、セーブは複数(各話ごと)に分けてしっかりと管理するようにしましょう。

隠し要素 ※ネタバレ注意

>BGM試聴室
エンディングを全て埋めるとオプションにBGM試聴室が出現します。

>おまけシナリオ「恐怖のスクリーンセーバー」&「恐怖の開発室」
スタート時、車の型の入力画面(デフォルト「スバル360」)で「ぼくは持ってないんですが」と入力。

>隠しキャラ「板さん」
第7話の賛美歌254番のフレーズ入力画面で「すくいたまえ」では無く「好く板前」と入力。

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