Fairygame

narcissu

スクリーンショット

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総論

 narcissu(ナルキッソス)(通称ナルキ)は2005年に同人サークル「ステージなな」によって公開されたノベルゲームです。フリーソフトとは思えないクオリティーも然る事ながら、実験的な手法や扱っている内容の重さが各所で話題になりました。

 物語の始まりとなるのは病院、それも死期の近い患者達が行き着く7F(ホスピス)と呼ばれる空間です。主人公はそこでセツミという名の少女に出逢い、自分の人生の最期について問い掛けられます。

 開始と同時に終わりが見えていて、最後まで奇跡など起こりません。2人が刻んだ生きた証の日々を追っていく物語です。分岐などは無く、話が1本道で短いのですんなりと読み終える事が出来るでしょう。

 グラフィックは全体的に簡素で控えめなのですが、BGMがピアノ系インストを中心に哀愁漂う曲で占められていて素晴らしいです。

 製作には「ねこねこソフト」のシナリオライターである片岡とも氏が携わっているので、本物のプロが書き下ろした贅沢な作品であると言えます。

 名作ノベルゲームをお探しの方、鬱ゲーに興味がある方にお勧めの作品です。

各論

「自殺は自らを殺す殺人そのものであり、今までお世話になった全ての人達の善意を踏みにじる背徳行為である。」まず私の意見を率直に言わせて貰えばこうなります。しかしそれを踏まえた上で、「一体誰が彼女を責める事など出来ましょうか? 自殺をするのも思い止まるのも、納得する事も後悔する事もその本人にしか出来ません。」

 元々この作品は「テキストや絵を極限まで削った作品はどうなるのか?」というコンセプトで作られていて、内容うんぬんよりも実験的な部分の方が大きかったと思われます。しかし結果的に1つの名作が誕生しました。簡素なグラフィックとテキストで重いテーマ性のある内容を扱う事で、想像力が掻き立てられ、作品独特の空気感を生み出しています。プレイ後は余韻が残り、良いことかどうかは別にして一種の清々しさのようなものまで感じられました。

 ちなみに私は「ボイスあり」の方が良かったです。「なし」だと一気に突っ走って読み終えてしまいましたが、「あり」だと彼女の言葉とストーリーを噛み締めていく感覚があり、より深く印象に残りました。

 続編の2ndの方は時系列が過去になっていてサイドストーリーとなっています。また、こちらは有料になりますが3rdやPSP移植版の「ナルキッソス〜もしも明日があるなら〜」などもあるので興味を持った方は触れてみるのもいいかもしれません。

 フリーのノベルゲームではかなりの名作なので、まだ未プレイの方には是非ともお勧めしたい作品です。

関連リンク

動作環境

製作者情報

ステージなな

補足、攻略情報など

タイトルについて

タイトルの「narcissu」は、スイセンの学名である「narcissus」から自殺(suicide)の「s」を除いた造語。

エピローグ

同梱版では1、2全てをプレイ後にエピローグが出現します。

BGMをNScripterから分解する方法

  1. まず始めに「霧雨の降る日に」様から「C&D Tools Win GUI」をダウンロードします。
  2. 次にそれを解凍してフォルダ内の「GUI.exe」を起動します。(エラーが出て起動しない場合には「VB6ランタイム」をインストールしてみて下さい)
  3. 「Input file」の所にナルキッソスの入っているフォルダ内の「arc.nsa」をドラッグドロップして指定した後、「Decode」にチェックを入れ「Start」を押します。
  4. これでナルキッソスのフォルダ内に「BGMフォルダ」が出現するはずです。曲名はおまけのサウンドモードで確認可能です。

その他のナルキ

書籍版携帯版もあります。現在ではSteam版(有料でサントラもあり)やAndroid版が出ているようです。