Fairygame

総論

　ゆめにっきは2004年に公開されたホラーアドベンチャーゲームです。その不気味な世界観や理解不能なプレイ感覚は、多くのプレイヤーを混乱に陥れながらも、何故か魅了してきました。製作者様が「ホラーゲーム」と明言されている訳ではありませんが、ゲーム中にはグロテスクな表現が散見され、精神的な重圧感がかなり有るので、一応ホラーという枠で括らせて頂きます。

　説明では「目的もなく、夢の中を歩き回るだけのゲーム」とあるように、プレイヤーは何が何だか分からないまま夢の世界に放り込まれて、そこで彷徨う事になります。そのまま説明通りに歩き回るだけでも良いのですが、それだけだと流石に長くは続きません。一応「裏」の目標として、全エフェクト(装備品)を回収する事で、エンディングらしきものに辿り着くことが出来ます。

　夢の世界は、異形な世界、真っ暗闇な世界、サイケデリックな世界、真っ赤な迷路のような異世界が幾つも存在し、それらがリンクして、集合体とでも呼ぶべき形で繋がっています。また、上下左右の感覚が無くループしている箇所が多いので、闇雲に動くとそのまま迷い込んで遭難してしまう可能性が高いです(一応「頬をつねる」コマンドで脱出する事が可能)。しかし、「迷い歩く事」こそがこの作品の醍醐味であると言えるので、お構いなしにどんどん探索していくと良いでしょう。

　グラフィック、特にドット絵が丁寧に作られていて素晴らしいです。また、BGMもダーク系のアンビエント、エレクトロニカなので、世界観に非常にマッチしていて良いです。

　ホラーやミステリアスな雰囲気が好きな方、迷路や宝探しが好きな方にお勧めの作品です。

各論

　至る所でその名を見かけるものの、未だにプレイしていなかったので手を出してみる事にしました。「出口の見えない迷宮、終わりなき悪夢」を地で行く本作は、ホラーゲームどころか他の幾多のゲームと比較してみてもかなり異質な存在でした。

　狂気の世界を言葉で言い表す事など出来ないように、この作品の中身もまた、言葉で上手く伝える事が出来ません。「LSD」というゲームの影響を大きく受けているらしく、意味不明さがかなり似ています。いわゆる薬がキマっている状態、トリップしている状態とでも言うのでしょうか……どちらも「電子ドラッグ」と呼ぶに相応しく、歪んでいる作品だと思います。

　このゲームは不思議な事に、初めのほうこそ「重苦しい雰囲気」や「意味不明さ」が襲いかかるものの、だんだん慣れて来ると「異世界探検」や「宝探しゲーム」的な面白さが感じられるようになってきます。私の場合、終いには作品全体が「シュール系アート」のようなものに見えてしまい、新たなマップやエフェクトが出てくる度に「ほほぉ」と感心するようになっていました。

　また、ゆめにっきには非公式の派生作品が幾つも存在し、どれも不気味な雰囲気を継承しつつ独自の世界を展開させています。導入方法が少々複雑ですが、興味のある方はいろいろ探してみてもいいかもしれません。

　不安感がトップクラスの作品なので、感受性が強すぎる方や精神的に不安定な方には、あまりお勧めできる作品ではありません。

ダウンロード

Vector - ゆめにっき ダウンロードもしくはPLAYISM - ゆめにっき ダウンロード
ツクールweb - RPGツクール2003 RTP ダウンロード (既にインストール済みの場合は必要ありません)

ナビゲーション

←戻る / ↑トップ / サイトマップ

カテゴリー

ACT / RPG / STG / SIM / ADV / ETC

サイト内検索 (Google)