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Rogue Clone II for Win32

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総論

 Rogue Clone II for Win32は2001年に公開され、現在Windowsでプレイ出来るローグのスタンダード版として人気を集めている作品です。

 ローグと言えばコンピューターRPGの3大始祖である「Rogue」、「Ultima」、「Wizardry」と並ぶ内の1つで、古のRPGです。初代ローグは1980年頃にBSD Unixで公開された後、一旦はソース紛失。しかしそのあまりの面白さに、他のプレイヤーが1から作りあげた上にほぼ完全に再現されたクローンがオープンソースで出回りました。ちなみに今作はMS-DOS版の「データ分離版ローグ・クローンII」の移植作です。(その後本家ソースが見つかり、現在では復刻版も公開されてはいますが、結局クローン版の方が主流になってしまいました)

 プレイヤーはダンジョンに潜り、地下26階以下にある「イェンダーの魔除け」を入手して無事帰還する事が目的なのですが、文字通り「生きてイェンダーの魔除けを入手して帰還する」か「死んで全てを失う」かしかありません。死ぬとそのままゲームが終了し、所持アイテムや経験値などのデータは全て消えます。このシビアさがローグ最大の特徴であり魅力の1つとも言えます。

 ダンジョンは自動生成され、リプレイ性に富んでいます。ある程度の法則はありますが、落ちているアイテムや出現する敵がその都度変わるので、こうすれば確実にクリア出来るといった完全攻略法が存在しません。もちろん運の要素もありますが、クリアする為にはダンジョンやモンスターやアイテムについての知識と経験が必要不可欠です。

 まだ文字だけの時代に視覚的な情報を表現しようとしたそれはアスキーアートのような体裁をしており、初めて見る方にはバグか暗号のようなものにも見えるかもしれません。しかしいざプレイしてみると、視覚情報が少ないからこそ想像力が掻き立てられ、深い味わいがあるという意外な事実に気付かされるはずです。

 真のRPGを追求する方、難易度は高いに越したことはないと考えている方にお勧めの作品です。

各論

 ローグは知らなくても「風来のシレン」や「トルネコの大冒険」なら知っている方は多いかと思われます。何を隠そう私自身もシレンで育った世代でありまして、この手のタイプはそれなりに出来る自信があったのですが、いざプレイしてみるとコマンドが複雑すぎて挫折しました。しかし、しばらくすると何故か無性にダンジョンに潜りたくなってしまうんですよね。あれは一体何なんでしょうか。そうこうしている内にコマンド操作にも慣れてしまい、本格的に攻略に乗り出してからはのめり込みました。

 このコマンド操作というのが曲者で、覚えて自由に動けるようになるまでが大変です。更にその先にあるのがローグ自身が持つ難しさときているもんだから昨今のカジュアルゲーマーならまず泣いて逃げ出すレベルだと言って間違いありません。しかしそこを乗り越えれば生と死が隣合わせのスリル溢れるダンジョン探索の日々が待ち受けています。

 今作はメッセージ分離版をベースに作られているのでメッセージファイルを入手する事で一風変わったローグをプレイする事も出来ます。興味がある方はいろいろ探してみるのもいいかもしれません。

 またローグには派生作品が数多く存在し、それらは皆「ローグライク」という名で呼び親しまれています。有名所では「NetHack」や「Angband」、「Dungeon Crawl」などがあり、どれもローグのシステムをベースに独自の世界を展開させていてお勧めです。

 完成されたシステムとゲームバランスは他の追随を許さず、登場から長い年月を経てして尚存在感がある上に、オープンソースでフリーゲーム。正にRPGの金字塔と呼ぶに相応しい作品と言えるでしょう。

関連リンク

動作環境

Windows95/NT以上

製作者情報

風桜へぽぽ / 伊藤 康史(データ分離版) / 太田 純(DOS&日本語版) / Tim Stothr(クローン原作)

補足、攻略情報など

・主要な操作コマンド ※大文字小文字の違いに要注意

  • 『?』 - ヘルプ
  • 『スペース』 - 話を進める
  • 『ESC』 - キャンセル
  • 『*』 - どのアイテムでアクションを起こすか問われた際に選択できるアイテムを確認する
  • 『Ctrl』+『p』(previous) - 直前のメッセージを表示する
  • 『h/j/k/l』 - 上下左右に移動
  • 『y/u/b/n』 - 斜めに移動
  • 『Ctrl』+『h/j/k/l』 - 何かに隣接するまで上下左右に移動
  • 『Ctrl』+『y/u/b/n』 - 何かに隣接するまで斜めに移動
  • 『>』 - 階段を下りる
  • 『<』 - 階段を上がる(イェンダーの魔除け入手後のみ)
  • 『.』 - 休息、1ターン待機
  • 『s』(search) - 周囲の罠や隠し扉、隠し通路を探す(必ず発見出来る訳ではなく、何10回も探さないと見つからない場合もある) ※大体のものは1秒程度長押しで発見出来る
  • 『i』(inventory) - 所持アイテムを確認する
  • 『d』(drop) - アイテムを落とす
  • 『e』(eat) - 食料を食べる
  • 『f』(fight) - 近接攻撃で敵とどちらかがやられそうになるまで戦う(自分のHPが低い時や強い敵相手だと即死する可能性あり)
  • 『t』(throw) - 遠距離攻撃、アイテムを投げ捨てる(投擲武器は只投げるよりも装備して投げた方が高い性能を発揮する。弓矢を射たい場合はまず弓を装備してから矢を投げると良い。『*』では表示されないアイテムも投げる事が可能)
  • 『w』(wield) - 武器の持ち替え
  • W』(Wear) - 鎧を着る(既に他の鎧を着ている場合はまず脱がなければならない)
  • T』(Take off) - 鎧を脱ぐ
  • P』(Put on) - 指輪をはめる(既に他の指輪をはめている場合はまず外さなければならない)
  • R』(Remove) - 指輪を外す
  • 『q』(quaff) - 水薬を飲む
  • 『r』(read) - 巻き物を読む
  • 『z』(zap) - 杖で魔法を撃つ
  • 『c』(call) - アイテムに名前を付ける(メモ、自分が把握出来れば何でも良い)

・画面に表示される文字

  • 『@』 - プレイヤー
  • 『+』 - 扉
  • 『#』 - 通路
  • 『%』 - 階段
  • 『^』 - 罠(普段は見えない)
  • 『:』 - 食料
  • 『)』 - 武器
  • 『]』 - 鎧
  • 『=』 - 指輪
  • 『!』 - 水薬
  • 『?』 - 巻き物
  • 『/』 - 杖
  • 『*』 - 金塊(スコアにのみ関係)
  • 『,』 - イェンダーの魔除け(これを無事に持ち帰ればゲームクリア)
  • 『A』(Aquator) - 水ごけの怪物
  • 『B』(Bat) - 大こうもり
  • 『C』(Centaur) - ケンタウロス
  • 『D』(Dragon) - ドラゴン
  • 『E』(Emu) - 大うずら
  • 『F』{(Venus) Flytrap} - はえとりぐさ
  • 『G』(Griffin) - 翼ライオン
  • 『H』(Hobgoblin) - 子鬼
  • 『I』(Ice monster) - 氷の怪物
  • 『J』(Jabberwock) - 巨大トカゲ
  • 『K』(Kestrel) - 大はやぶさ
  • 『L』(Leprechaun) - 金持ち妖精
  • 『M』(Medusa) - メデューサ
  • 『N』(Nymph) - ニンフ
  • 『O』(Orc) - 欲張り鬼
  • 『P』(Phantom) - 幽霊
  • 『Q』(Quagga) - 大つのじか
  • 『R』(Rattlesnake) - がらがらへび
  • 『S』(Snake) - へび
  • 『T』(Troll) - 巨人
  • 『U』{(black) Unicorn} - 一角獣
  • 『V』(Vampire) - バンパイア
  • 『W』(Wraith) - 死霊
  • 『X』(Xeroc) - 物まねの怪物
  • 『Y』(Yeti) - 雪男
  • 『Z』(Zombie) - ゾンビ

通常セーブデータをロードすると自動的にセーブファイルは消去されるのでやり直しは効きませんが、コピー、バックアップを取る事で何度でもロード可能になります。但しこれはチートと同じでゲーム本来の楽しみを大幅に削る行為なのであまりお勧めは出来ません。

現在ではPSP移植版や、iOSアプリ版なんかもあるようです。

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